アゲハチョウの卵がありますか? その卵は待てど暮らせど孵化しませんか?
それはおそらく無精卵か寄生された卵でしょう。
この記事を読めば、アゲハチョウの有精卵と無精卵、寄生された卵を簡単に見分けられるようになります。
ついでに、可愛い孵化の動画もご覧ください。
アゲハチョウの孵化しない卵
アゲハチョウの孵化しない卵は、概ね無精卵か寄生された卵です。
無精卵
無精卵とは受精していない卵のことです。
アゲハチョウの雌は他のほとんどの生物と同様に、雄と交尾していなくても産卵します。
産卵後間もないと、有精卵と無精卵の区別はつきませんが、しばらく経つと明確に区別できるようになります。
これはうちで飼っていたナミアゲハの無精卵です。
このとおり、最初は有精卵と見分けがつきません。
カーテンに産んでいました。通常は食草に産卵しますが、食草がなければこんな所でも産みつけます。
この時は幼虫の飼育が困難な時期(12月下旬)だったため、交尾できないように雌は雄から隔離していましたので、有精卵のはずはないと思っていました。
これが10日ほど経って、
こうなりました。
くすんだオレンジ色に変色し、歪にへこんでいます。
これが無精卵の特徴。見るからに、だめそうですね。
この件がわかったいきさつに関しては、こちらの記事をご覧ください。

寄生された卵
寄生された卵は黄色ではなく、モノトーン色になります。
- A
- B
- C
A: 健康な孵化目前の卵
B: おそらく寄生虫タマゴコバチの蛹がひしめく卵
C: おそらくBの進化形
これは穴が開いていますので、おそらく寄生虫が出ていった後でしょう。
この件に関しては、こちらの記事をご覧ください。

アゲハチョウの卵が孵化するまで
このように、無精卵は時間がたてば一目瞭然、寄生された卵は拡大して見れば、すぐにわかります。
では産卵後、有精卵にはどんな変化が現れるのでしょうか。
時間と共に色がくすんできて、中の幼虫が見えるようになってきます。
孵化目前になるとこうなります。
幼虫の口の動きまでわかりますね。
翌日、孵化しました。
これはナミアゲハ。糸を吐きながら、用心深く前に進んでいます。
大きさはどれくらいでしょうか?
卵の大きさは1.2~1.3mm、幼虫は2mmほど。
これからもりもり食べて、4~5cmくらいまで大きくなります。
ついでに、クロアゲハの孵化もご覧ください。
ナミアゲハに比べると白いですね。
しばらくすると戻ってきて、卵の殻を食べ始めました。
アゲハチョウの幼虫は脱皮の時もそうですが、自分の脱け殻を全部食べて無駄を出しません。
エコでクリーンな習性には感心します。
まとめ
ということで、アゲハチョウの卵の特徴をまとめるとこうなります。
有精卵: 徐々に色がくすんできて、中の幼虫が見えてくる
寄生された卵: 黄色からモノトーン色に変わる
無精卵の特徴が現れるまでには、産卵後10日程度かかります。
自然界でアゲハチョウが羽化する確率は1~2%。なかなか厳しいですね。
最後は笑顔で。
アオスジアゲハの終齢幼虫。
蚊取り線香の煙が出てきそう。
2018/8/17,2020/4/9
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