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【アゲハチョウの卵】基本情報 産む場所 黒い卵は孵化しない

アゲハチョウの卵を見つけようと思っていますか? アゲハチョウを育てるなら、孵化するところも見たいでしょう。

それでも、アゲハチョウの卵はいつ頃、どこで探せばいいのか、わからないかもしれません。それに卵の特徴がわからなければ、ほかの虫の卵と間違えてしまうかもしれません。

この記事ではアゲハチョウの卵を見つけられるように、アゲハチョウが卵を産む場所、時期、卵の色や大きさについて解説します。併せて、孵化しない卵の特徴、卵の期間、育て方、卵が落ちた時の対策についても述べます。

この記事をご覧になれば、アゲハチョウの卵を見つけて、羽化するまで育てることができるでしょう。

記事の概要
  • アゲハチョウの産卵場所、時期
  • アゲハチョウ卵の大きさや色
  • 有精卵、無精卵、寄生された卵の違い
  • 卵が孵化するまでの期間、育て方

アゲハチョウの卵【見つけ方】

アゲハチョウの卵は以下の情報をもとに探せば、見つかるでしょう。

アゲハチョウが卵を産む場所は食草

アゲハチョウは卵をどこに産むのか。

通常は食草(幼虫の餌になる植物)に産卵します。

食草はアゲハチョウの種類によって異なります。詳しくはこちらの記事( アゲハ蝶の幼虫の食べ物 )をご覧ください。

アゲハチョウはどのように食草を見分けるのか。

まず目視で近づき、匂いを嗅ぎ、味覚がある前脚で葉っぱに触れて確認します。と言っても、完璧ではありません。

うちのベランダで、柑橘の近くにあったシソ(食草ではない)の葉にも産んでいました。

たまには間違えます。

アゲハチョウが卵を産む時期は4~10月

アゲハチョウはいつ卵を産むのか。

概ね4~10月です。越冬個体は概ね4~5月に羽化。その後3~5回世代交代し、最終組は10月頃まで生きて、産卵を続けるということ。

アゲハチョウは卵を何個産むのか。

1個体の総産卵個数は200~300個。生存日数(自然界では概ね2週間)によって変わります。

これは柑橘類の葉っぱに産卵しているところ。

成虫は1本の木の周りを飛びながら数個産卵し、別の木に移動します。1箇所に1個しか産まないということは稀です。

卵の大きさは1~1.5mm

卵の大きさはどれくらいか。

これはナミアゲハが孵化したところ。卵の直径は1~1.2mmほど。

クロアゲハの卵

これはクロアゲハの卵。

クロアゲハやナガサキアゲハなど、大型種の卵は1.5mmほどになります。

卵は白や黄色から徐々に変化

アゲハチョウの卵はどんな色か。

これはナミアゲハの卵。

最初はこのような黄色。

孵化が近づくと、このように色がくすんできて、中の幼虫が見えるようになります。

アゲハチョウの種類によって卵の色はいろいろ。こちらの記事( 蝶の卵図鑑 )が参考になります。

孵化しない卵の特徴

孵化しない卵として、ここでは無精卵と寄生された卵を挙げます。

無精卵は歪にへこむ

アゲハチョウの雌は他のほとんどの生物と同様に、交尾していなくても産卵します。

無精卵は産卵後間もないと、有精卵と区別がつきません。しばらく経つと変化が生じます。

これはうちで保護していたナミアゲハの無精卵。

このとおり、最初は有精卵と見分けがつきません。

カーテンに産んでいました。

これが10日ぐらい経って、

こうなりました。くすんだオレンジ色に変色し、歪にへこんでいます。

これが無精卵の特徴。見るからに駄目そうですね。

寄生された卵は黒くなる

寄生された卵は徐々に黒くなります。

例えば、

これはおそらくタマゴコバチの蛹がひしめく卵。

時間の経過と共に黒ずんできます。

これは穴が開いていますので、おそらく寄生虫が出ていった後でしょう。

卵に寄生するタマゴコバチに関しては、こちらの記事をご覧ください。

孵化しない卵はすべて無精卵か寄生された卵、というわけではありません。一緒に産みつけられた卵の一部が、寄生されているわけではないのに孵化しない、ということは時々あります。

黒い卵は孵化しない。

アゲハチョウの卵【育て方】

孵化から羽化までの飼育

アゲハチョウの卵は産卵後3~5日で孵化します。育て方は難しくありません。

卵の期間: 3~5日

アゲハチョウの孵化から羽化までの飼育方法は、こちらの記事でご覧ください。

卵が孵化するまでの様子

アゲハチョウの卵が孵化するまでの様子を見てみましょう。

ナミアゲハの卵

最初はこんな感じです。

アゲハチョウの卵

そのうち、こういう破線のような模様が見えてきます。

孵化が近いアゲハチョウの卵

孵化が近くなると、このように幼虫の顔が見えてきます。

孵化目前になると…

幼虫の口の動きまでわかりますね。

これは幼虫が出てくるところ。10倍速。

かわいっ!

正常な孵化はこんな感じです。

卵が落ちた時の対策

アゲハチョウの卵は通常葉っぱや茎にくっついていますが、落ちてしまうことがあります。

そうなった場合はひと工夫しなければなりません。卵は固定されていないと、孵化する時にころがってしまい、幼虫が出てこれなくなるかもしれないからです。

卵が落ちてしまった場合の対策は、こちらの記事でご覧ください。

アゲハチョウの卵【まとめ】

以上、アゲハチョウの卵についていろいろ書きました。

ポイントは以下のとおりです。

  • アゲハチョウが卵を産む場所は食草(幼虫の餌になる植物)
  • 食草はアゲハチョウの種類によって異なる
  • アゲハチョウが卵を産む時期は4~10月
  • アゲハチョウは1箇所に数個産卵し、別の場所に移動する
  • アゲハチョウ1個体が産む卵の総数は200~300個
  • 卵の大きさは直径1~1.2mm。大型種の卵は1.5mmほど
  • 卵は産卵直後の白や黄色から徐々にくすんだ色になる
  • 無精卵は産卵後10日ほど経つとオレンジ色に変色し歪にへこむ
  • 寄生されている卵は徐々に黒くなる。黒い卵は孵化しない
  • 卵が孵化するまでの期間は3~5日
  • 落ちた卵は固定しないと孵化できないかもしれない

アゲハチョウの卵。見つかるといいですね。

アゲハチョウに関する統括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。

【アゲハ蝶の幼虫】これで丸わかり

2018/8/17,2024/5/26

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