シジミチョウの飼育を始めようと思っていますか?
我が家では、グリーンピースのさやの中でうずくまっていた幼虫を育てました。
幼虫が蛹になって羽化するまでの様子、成虫の餌やりについて書きますので、参考になさってください。
シジミチョウの飼育
うちで育てたのはウラナミシジミ(和名:裏波小灰蝶)です。
蛹化するまで
2月16日
スーパーで買ってきたグリーンピースのさやを開けたら、虫が豆を食い散らかして鎮座。
外に出してみたら、こんな風貌。

芋虫? 体長約1cm。
最初はまたヤサイゾウムシの幼虫( 一昨年の日誌2稿 )かと思い、小松菜の葉っぱに乗せましたが、全く食べる気配がありません。
2月19日。動かないと思ったら、葉っぱにくるまって蛹化の準備開始。
グリーンピースのさやから出た時は、いい頃合いだったようです。

2月22日? 脱皮して、これまで見たことがない様相の蛹に変貌。
ツイッター(#教えて虫の人)で尋ねてみたら、ウラナミシジミであることがわかりました。

いつ羽化してもいいように、ちょっとおしゃれなケースに隔離。

なかなかいいでしょ。
羽化するまで
3月7日


葉っぱがしおれてきたので、蛹ポケットに移動。


ミニサイズの羽化セット。
蛹ポケットの作り方はこちらの記事でご覧ください。

3月8日。忘れていた採寸。

12mm。ナミアゲハの3分の1くらい。

眼、口吻、翅が透けて見えるようになりました。

僕ほどではないね。
3月14日 18時21分

いつの間にか羽化していました。
前翅長(前翅1枚の上辺の長さ)15mm。
瞬間を見れなくて残念。毎度のことですが。(^^;)

とりあえず、この日はこのまま就寝。
ケースの壁にとまって眠るとは。アゲハにはできない芸当です。

小さいからできんだよ。
成虫の餌やり
3月15日
まだ放蝶はかわいそう。
かと言って、シジミチョウの餌やりなんてできるのか。
蝶に蜜を吸わせる場合、慣れるまでは口吻を引っぱり出さなければなりません。
蝶の餌やりに関してはこちらの記事をご覧ください。

とりあえず、花の上に乗せてみましたが、

案の定、口吻は伸ばしません。
やはり、窓越しの紫外線ではだめなのか。
これはどうしたものかと思っていたら、目を離しているすきに近くの餌皿まで歩いて移動。蜜を吸っていました。
なんで蜜のある場所(薄めた蜂蜜を含ませた脱脂綿)がわかったのか。

たまたま?
この時はたまたま見つけたのではないかと思っていたら、なんと、違いました。
後日、虫かごに餌皿を入れておくと、勝手に吸蜜することを確認。


いやぁ、驚きました。視覚や嗅覚を使って辿り着くのか。色や匂いを覚えたのか。
ともあれ、餌やりは超簡単。
これまで飼育経験がある蝶(アゲハチョウ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン)より断然賢い。

むむむ。
無論、すべてのシジミチョウがこうとは言えません。
タイムライン
以上、タイムラインは以下のとおり。
- 2月16日幼虫発見
グリーンピースのさやの中。
- 2月19日蛹化の準備開始
葉っぱにくるまって前蛹になる。
- 2月22日?蛹化
- 3月7日蛹ポケットに移動
眼、口吻、翅が透けて見える。
- 3月14日羽化
- 3月15日初めての吸蜜
室温: 幼虫がいた部屋は20度前後。蛹がいた部屋は15度前後。
蛹化から羽化までは20日程かかっていますが、暖かい時期ならもっと早いでしょう。
シジミチョウ幼虫の食草
今回の飼育では不要でしたが、シジミチョウ幼虫の食草について調べてみました。
で、驚いたのはシジミチョウの種類の多さ。
なんと、国内だけで約80種。世界では約6000種‼ ― Wikipediaシジミチョウ科

僕らの比じゃないね。
しかも、種類によって食草というか食べ物が大きく異なります。
中にはアリの幼虫を食べるゴマシジミ、アブラムシを食べるゴイシシジミといった変わり種も。― おうちde教育科学館

げっ。
食草もまちまちで、とても全部は挙げられません。
ということで、代表例だけ幾つか挙げると以下のとおりです。
ウラナミシジミ | マメ科植物 |
ツバメシジミ | マメ科植物 |
ヒメシジミ | マメ科、キク科植物 |
ベニシジミ | タデ科植物 |
ミドリシジミ | カバノキ科植物 |
ムラサキシジミ | ブナ科植物 |
ヤマトシジミ | カタバミ科植物 |
ルリシジミ | マメ科、バラ科、タデ科植物など多数 |
ウラナミシジミは食草の葉っぱではなく、芽や花、若い実を食べるようです。
前述のとおり、うちに来た個体は豆を食べていました。
シジミチョウの寿命
ついでに、シジミチョウの寿命についても調べました。
寿命も種類によって大きく異なるようです。
極端な例は以下のとおり。
ヤマトシジミ | 28日+成虫の生存日数 (卵4日,幼虫16日,蛹8日) |
ミドリシジミ | 約10か月+成虫の生存日数 (卵8か月,幼虫42~50日,蛹20日) |
多種多様なシジミチョウの寿命は、個別に調べるしかないでしょう。
参考になるかどうかわかりませんが、モンシロチョウの寿命はこちらの記事でわかります。

余聞
以上、シジミチョウ(ウラナミシジミ)の蛹化から羽化までの様子、成虫の餌やりについて書きました。
お役に立てば幸いです。
我が家でシジミチョウの飼育は初めての経験。
シジミチョウはアゲハに比べると警戒心が弱く、すぐ指に乗ります。

小さくてすごいかわいい。
鱗翅目の基本的な飼育方法をご存じない方は、こちらの記事をご覧ください。

アゲハチョウの記事ですが、やることは基本同じです。
2022/3/19,22
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