アゲハチョウの幼虫が動かないですか?
何の問題もなさそうなのに何でだろうと、疑問に思われているかもしれません。
アゲハチョウの幼虫が動かない理由は、これから取り上げる4つの現象のいずれかであると考えて間違いないでしょう。
では、1つずつ見ていきましょう。
アゲハの幼虫が動かない理由
ここで述べることは、アゲハの種類を問いません。
脱皮に備えている
頻度から言うと、一番ありがちな理由は脱皮が近いことです。
アゲハの幼虫は蛹になる時を除いて、通常4回脱皮します。
1齢から2齢、2齢から3齢、3齢から4齢、4齢から5齢幼虫になる時です。稀に6齢まで行く幼虫がいますが、滅多にいません。
幼虫は脱皮が近づくと餌を食べなくなり、
このように額をべったり葉っぱにくっつけて動かなくなります。
その間(1~2日)は新しい体を準備していますので、触ってはなりません。
その場所(糸を張り巡らした葉っぱ)から落ちてしまうと、脱皮する時に体が固定されていないため、脱皮不全で死んでしまうからです。
落としてしまっても、救済手段はあります。
こちらの記事の「糸の再利用」をご覧ください。

脱皮の動画はこちらの記事でご覧になれます。

蛹化に備えている
次に考えられる理由は蛹化が近いことです。
通常、5齢幼虫は1週間前後で前蛹になりますが、その前段階で動かなくなる時があります。
詳しくはこちらの記事でご覧ください。

寄生されている
3つ目の理由となる寄生、これは滅多にないことです。
なぜかと言うと、ほとんどの場合、アゲハの幼虫は寄生されていても、蛹になるまでは普通に成長するからです。
アゲハの幼虫が寄生されることは日常茶飯事ですが、寄生虫の影響で幼虫が動かなくなることは滅多にありません。
それでも、ごく稀にこういうことがあります。
ナミアゲハの3齢幼虫から、寄生バチの幼虫が出てきました。
ほとんどの寄生虫は、アゲハが蛹になってから外に出てきますが、このように幼虫の段階で出てくる寄生虫もいます。
こういう場合、アゲハの幼虫は葉っぱから落ちたり、
このように食草から離れて変な場所にいたりします。
外見は問題なさそうに見えますが、ほとんど動きません。
病気に罹っている
4つ目の理由は病気。これも滅多にないことです。
アゲハの幼虫は病気に罹っていれば、ほとんどの場合葉っぱから落ちて死ぬからです。
それでもごく稀に、健康そうに見えて、実は病気に罹っていて動かないというケースがあります。
最近うちでそういうことがありました。
詳細に関しては、こちらの記事の「蛹になれなかった幼虫」をご覧ください。

まとめ
以上、アゲハチョウの幼虫が動かない4つの理由を挙げました。
ほとんどのケースは1番目か2番目ですが、3番目と4番目も覚えておきましょう。滅多にないこととはいえ、家飼いでもあり得ます。
事実、うちではすべて室内飼育ですが、前述のとおり生じました。
卵や幼虫は採取した時点で寄生されていたり、外で調達した食草に病原体や寄生虫の卵が付いていたりすることは珍しくありません。
この記事がお役に立てば幸いです。
2020/8/13
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