羽化すると思っていたアゲハの蛹の下に、白いうじ虫がうごめいていましたか?
あるいは、あるはずがない小豆のような蛹が落ちていましたか?
そんなことがあって、ヤドリバエという寄生虫の存在を知ったかもしれません。
成虫(イエバエよりひと回り大きい)は直接アゲハ幼虫の表皮に産卵(孵化した幼虫はアゲハ幼虫の表皮を食い破って寄生)、あるいはアゲハの食草に産卵(卵はアゲハ幼虫の体内で孵化して寄生)します。
この記事にはタイトルのとおり、アゲハの蛹から出てきたヤドリバエ(うじ虫)の画像や動画があります。
苦手な方は見ないほうがいいかもしれません。
アゲハの蛹に怪しい黒点
【7月21日】
アオスジアゲハの蛹に、怪しい黒点が現れました。
【7月25日】
健康な蛹であれば、あざやかな緑色になっている頃ですが、表面は全体的に黄色っぽく変色、中は黒ずんでいて、透明の体液が漏れて固まっています。
ここからヤドリバエの幼虫が出てきました。
ヤドリバエの幼虫と蛹
これです。
7月25日8時33分。すでに床面を這っていました。
アゲハの幼虫と違って這行が不安定ですね。すぐにひっくり返ります。(赤い点に見えるのはゴミ。ゴミをくっつけながら移動しています)。
本来はすぐ土に潜って蛹になるようなので、こんなに長く移動することは想定外でしょう。気の毒なことをしてしまいました、というか、どっちがしたのか。
放っておいたら、シートの下に潜って蛹になっていました。
自然界であれば、土に潜って蛹化します。
ヤドリバエが出てきた後の蛹。
まだ出てきそうに見えますが、先に出てきたうじ虫が蛹になっても出てこないのであれば、おそらくもう出てきません。
我が家での最高記録は今のところ5匹。つまり、アゲハの幼虫は卵を5個産みつけられたか、食べたということです。
追記(2020.8.29):
蛹に最初に黒い点が現れた時点であれば、うじ虫を取り除けるかもしれません。
こちらの記事をご覧になってみてください。

追記(2020.9.3):
ヤドリバエの成虫はこちらの記事でご覧になれます。

ヤドリバエが出てくるところ
10月6日追記:
隔離していたナミアゲハの蛹から、ヤドリバエの幼虫が出てきました。(すでに先に1匹出ています)。
放っておいたら、
こうなっていました。
ヤドリバエに寄生されたアゲハに、羽化の見込みは全くないのでしょうか?
そんなことはありません。
超レアケースですが、こちらの記事をご覧になってみてください。

あとがき
寄生されて死亡。
ひと月ほどかけて育ててきたアゲハが、羽化を目前に控えて死んでしまうのは悲しい結末です。
アゲハを中心に考えればそうですが、これも自然の営み。仕方ありません。
アゲハ愛好家から見れば寄生虫は悪者ですが、寄生虫愛好家もきっといるでしょう。
会ったことはありませんが。
アゲハチョウの卵に寄生するタマゴコバチも観察しました。
興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

2019/7/26,2020/8/16
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