アゲハチョウの幼虫を育てていますか? であれば、一番気を遣うのは餌の調達でしょう。餌は何なのか、どうやって調達したらいいのか、足りない時の代用品はあるのか、野菜は食べるのか、とお考えでしょうか。
餌を間違えると育たないばかりか、最悪の場合死んでしまうかもしれません。我が家では毎年アゲハチョウを育てていますので、いろいろなことがわかりました。
この記事では幼虫の餌の種類や調達方法、代用品について詳しく解説します。最後までご覧になれば、餌に関する正しい理解が得られます。
アゲハチョウ幼虫の餌
まず、幼虫の餌(食べる葉っぱ)に関する基本的なことを書いておきます。
餌の種類
幼虫が食べる葉っぱのことを食草と言います。食草はアゲハチョウの種類によって異なります。
おもな種類ごとの食草は以下のとおり。
ナミアゲハ クロアゲハ モンキアゲハ オナガアゲハ ナガサキアゲハ カラスアゲハ ミヤマカラスアゲハ | ミカン科植物 | ミカン レモン ユズ キンカン グレープフルーツ コクサギ サンショウ など |
キアゲハ | セリ科植物 | パセリ セロリ ミツバ ニンジン など |
アオスジアゲハ | クスノキ科植物 | クスノキ タブノキ ニッケイ シロダモ など |
ジャコウアゲハ | ウマノスズクサ科植物 | ウマノスズクサ |
絶対にこれしか食べないというわけではありません。うちで育てたキアゲハはミカンの葉を食べていました。なんと、ミントを食べるキアゲハもいます。( 飼育日誌2131 )
と言っても、大半は既定の食草しか食べません。
野菜を食べるのは上記のとおり、セリ科植物を食草とするキアゲハだけです。スーパーで売っている野菜は農薬を使っているものが多いので、ご注意ください。
キャベツはアブラナ科植物。モンシロチョウなどの食草です。勘違いしている方が多いようですが、キャベツはアゲハチョウの餌にはなりません。
餌を変える
餌は途中で変わっても大丈夫なのか。例えば、レモンの葉っぱを食べていた幼虫は、山椒の葉っぱを食べるか。
食べる幼虫もいれば、食べない幼虫もいます。生育日数が少ないほど順応性あり。個体差もあります。
キアゲハは終齢幼虫でも変更できるようですね。
しかも、明日葉(セリ科植物)から柑橘(ミカン科植物)に変更。
キアゲハは順応性に富むのか。
タブノキに付いていたアオスジアゲハは、クスノキを食べませんでした。(^^;)
餌の調達方法は
餌はどうやって調達すればいいのか。
調達方法は以下のとおり。
自家栽培
1つの方法は自家栽培。
我が家ではベランダで柑橘類、山椒、クスノキ、ウマノスズクサを栽培しています。

幼虫は食欲旺盛。うちはたくさん育てるので、これっぽっちでは全然足りません。
クスノキの栽培に関しては、こちらの記事をご覧ください。

外で調達
あとは外で調達。
我が家では食草がある家の人に声を掛けて、取らせてもらったりしています。
取ってきた餌は

このように、水を少し入れた袋に入れて冷蔵庫に保存しておくと、長持ちします。
外で調達した餌には寄生虫の卵がよくついているため、丁寧に洗う人もいますが、我が家ではさっと水で流す程度。
葉っぱについている寄生虫の卵は、水で流す程度では取れません。
寄生は仕方ありません。諦めています。
苗木や葉っぱを購入
苗木や葉っぱを購入する手もあります。
ホームセンターなどで売っている苗木は、農薬を使用している場合が多いので、ご注意ください。
農薬がついている葉っぱを食べた幼虫は死にます。

友人からもらった花屋の山椒は大丈夫でした。
ネット通販もあります。
「アゲハ 餌 通販」で検索するといろいろ出てきますが、安い所では200gで1,000円程度、高い所だと200gで3,000円以上します。メルカリで100g500円送料無料、というのもありました。

高いですね。
ネット通販で「無農薬」と書いてあっても、鵜吞みにしてはなりません。
こちらの記事をご覧になってみてください。
代用 食草の根や実の皮
食草が足りない時は代用餌にするという手もあります。
意外と言えば意外な代用餌は食草の根や実の皮。例えば、ミカンの皮とか、ニンジンのスライスとか。
但し、食べない幼虫もいるようです。詳しくはこちらの記事でご覧ください。
代用 人工飼料
別の代用餌は人工飼料。
研究所などの専門機関では、人工飼料でアゲハチョウの幼虫を育てている所があります。購入ルートはないか調べてみましたが、残念ながら、今のところ一般市場には出回っていません。
素人にはハードルが高いですが、一般公開されている人工飼料のレシピがあります。こちらの記事でご覧ください。
あとがき
以上、アゲハチョウ幼虫の餌の種類や調達方法について書きました。お役に立てば幸いです。
アゲハチョウの幼虫に関する基本的な情報は、こちらの記事でご覧ください。
うまく育つといいですね。
2020/10/20,2023/4/24
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