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【発見】アゲハチョウ幼虫の自由研究 餌の食べ方 おもしろい習性

我が家では毎年300匹ぐらいアゲハチョウの幼虫を育てますが、飼育しているうちにいろいろな発見がありました。

アゲハチョウの幼虫は種類によって外見だけでなく、性格や行動様式も異なります。

この記事をご覧になれば、幼虫のおもしろい生態、習性がわかります。夏休み自由研究の題材になるかもしれません。

どうぞ参考になさってください。

アゲハチョウの幼虫

成長過程

最初に成長過程を載せておきます。

孵化

アゲハチョウの卵は産卵後、概ね3~5日で孵化します。

こんな感じで。

ナミアゲハの孵化。10倍速。

このあとしばらく休んで、卵の殻を食べます。

産まれて初めての食事。

うまいのかなぁ。

1齢幼虫~前蛹

アゲハチョウの幼虫は脱皮を繰り返し、前蛹(蛹の前段階)になります。

ナミアゲハ幼虫の各形体は以下のとおり。

1齢幼虫 2~5mm

最初の動画のとおり、孵化直後は黄土色で、徐々に濃い茶色に変わります。

2齢幼虫 5~10mm

中央に白い模様が入り、鳥の糞に擬態します。

3齢幼虫 10~20mm

4齢幼虫 20~30mm

5齢幼虫 25~40mm

青虫。通常は終齢幼虫。

ごく稀にもう1回脱皮して、6齢幼虫になる個体がいます。

前蛹

こうなってから1~2日で脱皮、蛹になります。

蛹化に関しては後述します。

黒くなった幼虫に関してはこちらの記事をご覧ください。

餌の食べ方

餌の食べ方は種類によって異なります。

クロアゲハは几帳面

クロアゲハは柑橘類の葉っぱをこんなふうに食べます。

まず、主脈(葉っぱ中央の太い葉脈)の片側だけを付け根のほうから食べます。

そのあと、残った片側を同じように食べます。

几帳面。

最後に残った主脈はこうします。

結構時間がかかるので、早送り。

なんでここまで苦労して主脈を切り落とすのか。

おそらく、食痕を残さないため、つまり天敵に居場所を突き止められないようにするためでしょう。

ナミアゲハは芸術的

ナミアゲハも基本的に同じ食べ方をしますが、主脈は切り落としません。

面倒臭いことはしないたちか。(笑)

山椒の葉っぱはこのように手前から1枚ずつ平らげていきます。

そのため、枝ぶりがこんな芸術的な形に。

我が家ではこれを“生け青虫”と呼んでいます。

アオスジアゲハは早食い

アオスジアゲハはやみくもに早食い。

前者のような几帳面な食べ方はしません。

速い‼

クスノキの葉っぱは柔らかいためか、主脈も一緒に一気食い。

他の幼虫と比べると食べるスピードがやたら速く、早送りの動画を観ているようです。

それでも用心深く、すごい勢いで食べていても、周りで物音がしただけで食べるのをやめます。しばらくそのまま動きません。

臆病者。

食べ残した葉っぱはこうします。

葉っぱの付け根まで戻り、食べ残した葉っぱを切り落とします。

あとで食べればいいのに。

もったいない。

なんでこうするのか。

これもおそらく食痕を残さないため。防衛策でしょう。

おもしろい習性

餌の食べ方以外にも、おもしろい習性がいろいろあります。

餌場とホームは別

基本的に餌場とホーム(摂食時以外の居場所)は別にします。

つまり、自分のホームにする葉っぱを決めていて、空腹になるとそこから出掛けていって餌を食べ、食べ終わるとホームに戻ってくるということ。

ホームに戻ってくると、葉っぱ全体を一度巡回します。留守中に異変が起きていないかどうか、確認しているのかもしれません。

用心深いね。

それから定位置に鎮座。

ホームにしている葉っぱの中なら、どこでもいいわけではありません。

ホームで休憩中。

このように食痕から離れた所で落ち着くのも、おそらく防衛本能でしょう。

大きくなるとホームを独占

体が小さいうちは、

このようにホームを共有していますが、大きくなってくると独占したがります。

ホームに侵入者が入ってくると、こうなります。

すごい剣幕ですね。

でも、こういうこともあります。

仲良く同居? それとも追い出せなかったのか。

でも、これは一時的です。

糞は自分から遠ざける

当然ながら、ホームにしている葉っぱではよく糞をします。

糞が下に落ちればいいのですが、葉っぱに乗ったままだと、

吹っ飛ばします。

手際じゃなくて”口際”がいい。

これはホームに限ってのことではありません。

食べている途中で気づきました。

近くに糞がたくさんたまっていると、わざわざ降りてきて片づけることも。

これはナガサキアゲハの4齢幼虫。

かみさんが意地悪をして糞を寄せています。

このような行動も、おそらく居場所を突き止められないようにするためでしょう。

脱皮のあと脱け殻を食べる

脱皮した後は自分の脱け殻を食べます。

これはクロアゲハ4齢幼虫の脱皮。

最後、口から何か出したように見えますが、それは頭部の抜け殻です。

このあと、戻ってきて脱け殻を食べます。

無駄を出さないクリーンなエコロジー。よくできていますね。

栄養補給と共に、これもおそらく居場所を知られないようにするためでしょう。

幼虫の育て方

幼虫の飼育は難しくありません。

食草(食べる葉っぱ)や育て方に関しては、こちらの記事をご覧ください。

前蛹~蛹~成虫

前蛹が脱皮して蛹になり、羽化する様子も載せておきます。

蛹化

前蛹の脱皮。

途中からですが、こんな感じです。

前蛹の脱皮は概ね7分前後かかります。

疲れそう。

蛹化の一連の行動に関しては、こちらの記事をご覧ください。

羽化

ナミアゲハ、キアゲハは概ね7~10日、クロアゲハなどの大型種は10~14日で羽化します。

これはクロアゲハの羽化。

気持ちええやろなぁ。

成虫の飼い方に関しては、こちらの記事をご覧ください。

あとがき

以上、アゲハチョウ幼虫の餌の食べ方やおもしろい習性について書きました。

夏休み自由研究の格好の材料になるのではないでしょうか。

お役に立てば幸いです。

ちっぽけな虫でも、観察しているといろいろな発見があっておもしろいですね。

興味は尽きないというほどではありませんが、昆虫学者の喜びが少しわかったような気がします。

ほんまか。

2018/2/24,2022/5/12

コメント

  1. あるさん より:

    小学校1年の息子がナミアゲハの幼虫を捕まえて来て、飼育中です。
    いつ蛹になるかなぁと様子を見ていたら、枝を行ったり来たり、逆さになったりし始め、何だろうと調べてこのブログに。分かりやすく、何より面白く、笑いながら読んでいて、ふと我が家の幼虫を見たら体に糸を付けようとしていて感動!挿入してあった動画を感激しながら見ていた最中だったので、同じ状況にまた感動。思わず、コメントをしています。うちの子は、糸を何度も何度も行き来してどんどん強くなっているようで、応援しながらのコメント書きです。幼虫の綺麗さと可愛い動きにメロメロです。情報をありがとうございました。ちなみに、糞吹っ飛ばし画像に爆笑しました。

    • それはグッドタイミングでしたね。アゲハチョウの飼育はお子さんの情操教育にうってつけでしょう。
      笑いと感動をお届けできてよかったです。糞飛ばしは こちらの記事 にも幾つかありますので、ご覧になってみてください。
      励みとなるコメント、ありがとうございました。

  2. まり子 より:

    コメントを書かせていただいている間に羽化してました!
    こちらは東海ですが、今は風が強いです。台風でも早くケースから出して放したほうが良いでしょうか?

    • たむら船堀たむら船堀 より:

      羽化しても翅が乾くまで、少なくても3時間程度は飛べません。自分から飛ぶまで待ったほうがいいのですが、台風の最中に放すのはかわいそうですよね。私なら台風が通り過ぎてから放します。

  3. まり子 より:

    いつもありがとうございます。

    アゲハの幼虫のためにレモンの葉を採集した時に、葉にくっ付いていた幼虫をそのまま飼育していました。初めは、他のナミアゲハの幼虫と変わりなかったのですが、だんだん身体の表面に光沢が出てきて、模様や形が一匹だけ野生的になってきました。他の五令より大柄ですし。自然の中で孵化した子なので個性的に育ったと思っていましたが、こちらのナガサキアゲハの幼虫の画像を見たらそっくりです。ナミアゲハの幼虫は飼育ケースで孵ったせいか、一度もツノを出したことがありません。その異質な幼虫はすぐに威嚇していましたが、私を覚えてくれたのか葉っぱで触っても怒らなくなりました。

    蛹が一つ、頭のほうから黒くなってきました。台風が過ぎたあとに羽化となりそうで、ほっとしてます。

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