アゲハチョウのオスメスの違いはどこで見分けたらいいのか。蝶なら見分けられるけど、幼虫でも蛹でも見分けられるのか、と思われているかもしれません。
いろいろ調べて、うちで育てているアゲハチョウを観察して、オスとメスの違いがはっきりわかりました。どこを見ればいいのか、この記事にわかりやすくまとめましたので、参考になさってください。
この記事をご覧になれば、幼虫でも蝶でも、アゲハチョウの種類によっては蛹でも、オスとメスを見分けられるようになります。
アゲハチョウのオスとメスの見分け方
蝶はわかりやすい
蝶のオスとメスは簡単に見分けられます。
見る所は2か所。おしりと翅。
おしりの形 オスはほっそり メスはずんぐり
おしりの形は以下のとおり。
オス: ほっそり。先端が割れている。
メス: ずんぐり。先端が割れていない。
こんな感じです。
オス
メス
オスのおしりの先端が割れているのは、交尾の時にメスのおしりを挟むため。その部分は交尾器の一部で把握器(valva)と言います。
こちらの記事でハンドペアリングをご覧になれます。
翅の色 オスは白っぽい メスは黄色っぽい
次は翅の色ですが、これはナミアゲハ限定になります。
違いは以下のとおり。
オス: 白っぽい
メス: 黄色っぽい
こんな感じです。
右がオス、左がメス。ほぼ同時に羽化。
結構違いますね。
それでも、単独で見るとわかりにくいので、おしりの形で識別するほうが確実です。
後翅の赤い斑点は当てにならない
おまけでナミアゲハの後翅の赤い斑点について書いておきます。
「アゲハチョウ オスメス」で検索していたら、後翅に赤い斑点があるのがメス、無いのがオスと書いている記事がありました。
それは間違っています。確かに、
このような後翅に赤い斑点がないオスはいますが、すべてがそうではありません。
こちらの動画をご覧ください。
把握器を開閉しているので、明らかにオスですが、後翅に赤い斑点があります。
ということで、「後翅に赤い斑点がなければオス」とは断定できません。
蛹は裏側の筋でわかる
蛹のオスとメスの違いは、ちょっとわかりにくいかもしれません。
蛹裏側最下部から少し上の所に縦の筋があればメス、なければオスです。詳しい説明はこちらの記事でご覧ください。
幼虫は透視でわかる
幼虫のオスとメスはいつでも見分けられるわけではありません。終齢幼虫になって、ガットパージ(最後の排泄)が済んだ後、見分けられるようになります。
こちらの動画をご覧ください。
ナミアゲハ♂
このようにライトで照らしてみて、睾丸が透けて見えればオス、見えなければメスです。
排泄物がきれいになくなった後なので、くっきり見えるんですね。
うちではスマホのライトに乗せます。
ナミアゲハだけでなく、キアゲハ、クロアゲハなど、他のアゲハチョウのオスとメスも、この方法で見分けられます。
アオスジアゲハはライトで照らさなくても、睾丸が見えるかもしれません。こちらの記事をご覧になってみてください。
アゲハチョウのオスとメスの見分け方【まとめ】
以上、アゲハチョウのオスとメスの違い、蝶、蛹、幼虫、それぞれの見分け方について書きました。一番わかりやすいのは蝶ですね。
アゲハチョウ以外の蝶でも、オスはおしりの先端が割れていて、メスは割れていません。
この記事がお役に立てば幸いです。
アゲハチョウに関する総括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。
2021/4/23,2024/5/24
コメント
雌雄の見分け方に困っていました。
わかりやすく大変役に立ちました。ありがとうございます!
お役に立てて幸いです。ご丁寧に感謝のコメントをありがとうございました。