多くの人が「アゲハ」「アゲハチョウ」と呼ぶのは、おそらくナミアゲハのことでしょう。ナミアゲハという名称は、あまり知られていないかもしれません。
この記事では、ナミアゲハの幼虫の食べ物や育て方など基本的な情報と、我が家で育てた幼虫が孵化してから羽化するまでの記録を書きます。
この記事をご覧になれば、ナミアゲハの幼虫に関する大方の疑問は解けるでしょう。
ナミアゲハの幼虫【基本情報】
ナミアゲハとは
ナミアゲハ(学名: Papilio xuthus)は鱗翅目、アゲハチョウ科に分類される蝶の一種。
単に「アゲハ」、「アゲハチョウ」と呼ばれることが多く、日本で最もよく見られるアゲハチョウ。ネット上では「ナミアゲハは俗称で、正式名称はアゲハ」という記述が散見されます。
分布域: 日本全域、中国、台湾、朝鮮半島、ハワイ諸島。
活動時期: 4~10月。その間に3~5回世代交代します。
大きさ: 前翅長(前翅の付け根から先端までの長さ)40~60mm。
私見ですが、成虫はクロアゲハやアオスジアゲハに比べると活発で警戒心が強く、なかなか手に乗りません。
幼虫の食べ物 育て方
ナミアゲハ幼虫の食べ物(食草)はミカン、レモン、山椒などのミカン科植物です。
育て方はこちらの記事でご覧ください。
クロアゲハの幼虫との違い
ナミアゲハの幼虫とクロアゲハの幼虫の違いは、単独で見るとわかりにくいかもしれません。
両者の見分け方はこちらの記事でご覧ください。
ナミアゲハの幼虫【孵化から羽化までの記録】
ここで書くのは同一個体の追跡記録です。
【孵化】卵~幼虫
外で採取した卵。
6月4日(産卵日は不明)
6月5日12時50分 孵化間近
同日22時4分 孵化
孵化後、少し休んでから、卵の殻を食べます。
孵化したては黄色っぽい茶色で、だんだん黒ずんできます。
アゲハチョウの卵に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。
【脱皮】1齢~5齢幼虫
幼虫は蛹になるまでに5回(ごく稀に6回)脱皮します。
6月6日1時59分 黒くなった1齢幼虫
2齢幼虫
脱皮したのは、おそらく6月7日。気づいた時、すでに脱け殻はなくなっていました。
6月10日9時2分 2回目の脱皮直後
3齢幼虫になりました。少し休んでから、脱け殻を食べます。
幼虫が脱皮した後に脱け殻を食べたり、孵化した後に卵の殻を食べたりするのは栄養補給と共に、おそらく天敵に居場所を知られないようにするためでしょう。
防衛本能?
6月13日8時29分 3回目の脱皮直後
4齢幼虫になりました。
6月16日16時1分 4回目の脱皮直後
5齢幼虫になりました。
お面(頭部の脱け殻)。
仮面ライダー。トオーーー。
幼虫の期間: 約17日(1~5齢幼虫の合計日数)
【蛹化】前蛹~蛹
6日後、ワンダリング(蛹化の場所決め)~糸掛け。
6月22日 前蛹
画像は別の個体です。うっかり写真を撮り忘れてしまいました。
すみません。
糸掛けをした日は6月22日で間違いありません。
6月24日8時13分 蛹
寝ている間に脱皮していました。
アゲハチョウの蛹化に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。
【羽化】蛹~成虫
8日後、羽化。
7月2日12時18分
翅を乾かした後、元気に飛んでいきました。
うちでは羽化不全でなければ放蝶します。
成虫は基本的に放していただきたいと思いますが、何らかの理由で保護する場合は、こちらの記事を参考になさってください。
各形体の日数
今回追跡した個体各形体の大まかな日数は以下のとおり。
産卵~孵化 | 卵の期間 | 不明 |
孵化~脱皮1回目 | 1齢幼虫の期間 | 2日 |
脱皮1回目~2回目 | 2齢幼虫の期間 | 3日 |
脱皮2回目~3回目 | 3齢幼虫の期間 | 3日 |
脱皮3回目~4回目 | 4齢幼虫の期間 | 3日 |
脱皮4回目~糸掛け | 5齢幼虫の期間 | 6日 |
糸掛け~脱皮5回目 | 前蛹の期間 | 2日 |
脱皮5回目~羽化 | 蛹の期間 | 8日 |
羽化~死亡 | 成虫の期間 | 不明 |
孵化(6月5日)から羽化(7月2日)まで28日。
ナミアゲハの幼虫【まとめ】
以上、ナミアゲハの幼虫の基本情報と我が家で育てた幼虫の成長記録を書きました。
お役に立てば幸いです。
ナミアゲハの終齢幼虫。均整が取れていてかわいいと思いませんか?
アゲハチョウに関する総括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。
2021/7/6,2024/6/18
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