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【モンシロチョウの育ち方】卵から成虫まで 完全変態の様子

お子さんがモンシロチョウを観察しますか? あるいは、モンシロチョウを育てようと思っていますか?「モンシロチョウの育ち方って、どんな感じなんだろう」。そんな疑問があるかもしれません。

我が家ではアゲハチョウがメインですが、モンシロチョウの飼育も楽しんでいます。これまでいろいろ学びました。

この記事では、モンシロチョウの卵から成虫に至るまでの成長過程を追い、モンシロチョウはどんな育ち方をするのか、完全変態の様子をわかりやすく解説します。画像動画満載。

この記事をご覧になれば、モンシロチョウの育ち方がわかるだけでなく、育て方もわかります。

記事の概要
  • モンシロチョウの産卵から孵化
  • 卵から成虫までの育ち方の順番
  • モンシロチョウの成長過程と期間
  • 成長に関わる付加的な情報

モンシロチョウの育ち方の順番

モンシロチョウは卵~幼虫~蛹~成虫と姿を変える完全変態型の昆虫です。

完全変態
昆虫が卵・幼生のほかにさなぎの段階を経てから成虫になること。チョウなどにみられる。

不完全変態
昆虫の変態の一型。さなぎの時代を経ず、幼虫から直接成虫になるもの。トンボ・バッタ・ゴキブリなどにみられる。

無変態
昆虫の変態の一型。成長の過程でほとんど形態が変化せず、脱皮を繰り返すことで大きくなる。シミ・イシノミなどにみられる。

デジタル大辞泉

卵から孵化した幼虫が羽化して成虫になるまで、モンシロチョウの育ち方を見ていきましょう。

【卵~幼虫】産卵~孵化

まずは、モンシロチョウの産卵をご覧ください。

たくさん産みますね。この草はおそらくセイヨウカラシナ。モンシロチョウの食草に関しては後述します。

うちで育てるために、卵を幾つか持ち帰りました。

モンシロチョウの卵

モンシロチョウの卵は縦長形。最長辺1mmほど。拡大しないとはっきり見えません。

卵採取2日後に1匹孵化しました。

少し休んでから卵の殻を食べます。アゲハチョウと同じ。最初の栄養補給。

【幼虫~前蛹】脱皮4回~糸掛け

幼虫は前蛹になるまでに4回脱皮します。

モンシロチョウ1齢幼虫

孵化して間もない1齢幼虫。大きさは2~3mmほど。

もりもり食べて、みるみる大きくなります。

脱皮したモンシロチョウの幼虫

脱皮直後。お面(頭部の脱け殻)がまだくっついています。

大きさからして、おそらく3回目の脱皮。4齢幼虫になったところでしょう。モンシロチョウの幼虫は脱皮しても形状が変わらないので、ぱっと見齢数がわかりません。

脱皮はこんな感じです。

10倍速。おそらく4齢から5齢になる時の脱皮。7分ぐらいかかりました。

脱皮直後のモンシロチョウ幼虫

5齢幼虫は蛹になる時が近くなると、餌を食べなくなり、糞を出し切り、ワンダリング(蛹化の場所決め)を始めます。

蛹になる場所が決まると、糸掛けを始めます。

5倍速。これは飼育ケースのふたに張り付きました。糸掛けは10分ぐらいかかります。

【前蛹~蛹】最後の脱皮

糸掛けが済んだ前蛹は1~2日経つと脱皮して、蛹になります。

モンシロチョウの前蛹

キャベツの葉に糸掛けした前蛹。モンシロチョウの前蛹はアゲハチョウのような形(くの字)にはなりません。

5倍速。生涯最後の脱皮。

モンシロチョウの蛹

脱皮直後の蛹。

モンシロチョウの蛹はほとんどが茶色か緑色に変色。色は温度、湿度、光度、周囲の色、接触面の感触などの環境に左右されます。

【蛹~成虫】羽化

室内飼育の場合、飼育ケースの壁や天井で蛹化することが多いので、ほとんどの蛹は蛹ポケットに移します。

羽化目前のモンシロチョウ蛹

蛹ポケットに入っている蛹。

羽化目前のモンシロチョウ蛹拡大写真

このように翅の紋が透けて見えてきたら、羽化間近です。

モンシロチョウ成虫

羽化しました。出てくるところの動画を撮れなくて残念。

2~3時間経てば翅が乾き、飛べるようになります。羽化不全でなければ。

モンシロチョウの一生・成長過程

以上、孵化から羽化まで、モンシロチョウの育ち方でした。

モンシロチョウの一生、成長過程と形体ごとの期間をまとめるとこうなります。

モンシロチョウの成長過程と期間
  • 産卵
    卵 3~5日
  • 孵化
    幼虫 10日前後~
  • 糸掛け
    前蛹 1~2日

  • 脱皮
    蛹 7日前後~

  • 脱皮3回目
    成虫 数日~1か月以上

モンシロチョウの寿命: 3週間~1か月以上

寿命は発生時期や生育環境によって変わります。気温が低いと発育が悪いので、それなりに長くなります。

モンシロチョウの育ち方【付加情報】

モンシロチョウの成長に関わる付加的な情報も載せておきます。

幼虫の食べ物・育て方

モンシロチョウ幼虫の食べ物(食草)はアブラナ科植物です。野菜ではキャベツ、コマツナ、ブロッコリーなど。野草ではアブラナ、ナズナ、セイヨウカラシナなど。

モンシロチョウの飼育は難しくありません。基本はアゲハチョウと同じです。

幼虫の食べ物、育て方に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。

モンシロチョウの越冬

モンシロチョウの越冬態は蛹です。卵、幼虫、成虫は越冬できません。

我が家では11月下旬に、スーパーで買ってきたブロッコリーに幼虫が付いていたことがあり、それは越冬して翌春羽化しました。

その様子はこちらの記事でご覧ください。

モンシロチョウは寄生されやすい

モンシロチョウの幼虫は寄生されやすいです。無農薬野菜に付いていた幼虫を育てると、半分以上は寄生されています。

キャベツはモンシロチョウの幼虫にかじられると、カイロモンという揮発物質を出して、モンシロチョウの天敵アオムシコマユバチ(寄生バチ)を呼び寄せます。― モンシロチョウとキャベツと寄生者と

アオムシコマユバチに寄生されたモンシロチョウの幼虫はどうなるのか。こちらの記事でご覧ください。

まとめ: モンシロチョウの育ち方

以上、について書きました。

ポイントは以下のとおりです。

  • モンシロチョウは卵~幼虫~蛹~成虫と姿を変える完全変態型の昆虫
  • モンシロチョウの卵は縦長形。最長辺1mmほど。目視困難
  • 幼虫は前蛹になるまでに4回脱皮する
  • 幼虫は脱皮しても形状が変わらないので、齢数がわかりにくい
  • 5齢幼虫は蛹になる時が近くなると、餌を食べなくなり、ワンダリングする
  • 蛹になる場所が決まると糸掛けをし、前蛹になる
  • 前蛹は1~2日で生涯最後の脱皮。蛹になる
  • モンシロチョウの蛹はほとんどが茶色か緑色に変色する
  • 室内飼育の場合、飼育ケースの壁や天井で蛹化することが多い
  • 蛹に翅の紋が透けて見えてきたら、羽化間近
  • 成虫は羽化してから2~3時間で翅が乾き、飛べるようになる
  • モンシロチョウの寿命は3週間から1か月以上。気温が低いと長くなる
  • 幼虫の食べ物(食草)はキャベツ、コマツナ、ブロッコリーなどのアブラナ科植物
  • モンシロチョウの越冬態は蛹。卵、幼虫、成虫は越冬できない
  • モンシロチョウの幼虫は寄生されやすい

お役に立てば幸いです。

2024/4/7

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