モンシロチョウの幼虫が蛹になりましたか? あるいは、なりそうですか?
蛹の期間はどれぐらい? 色はどんな感じ? 黒い点は問題ない? 幼虫が蛹になる時は何をしたらいいの? といった疑問があるかもしれません。
蛹になる時は危険を伴います。飼育環境がよくないと、最悪の場合死んでしまうかもしれません。
我が家ではモンシロチョウの飼育もします。この記事では蛹の期間や色などの基本情報に加え、幼虫が蛹になるまでの様子も書きますので、参考になさってください。
この記事をご覧になれば、蛹に関する不安を取り除き、蛹化時のトラブルを回避できるでしょう。
モンシロチョウの蛹【基本情報】
蛹の期間は1週間前後
蛹の期間は1週間前後。気温が低ければ、それなりに長くなります。
越冬蛹なら数か月。長ければ半年に及びます。
ちなみに、前蛹の期間は1~2日です。
蛹の色は茶色と緑色が多い
モンシロチョウの蛹の色で多いのは茶色と緑色。あとは、グレー系もあります。
蛹の色は周囲の色や接触面の感触など、環境によって変わります。
上の蛹は飼育ケースのふた(後掲)で蛹化して淡い緑色、下の蛹はキャベツの葉の上で蛹化して鮮やかな緑色になりました。
かと思えば、このように同じケースのふたで蛹化しても、茶系と緑系に分かれることもあります。
詳細はこちらの記事でご覧ください。
蛹の黒い点は寄生の可能性も
これまで掲載した画像を見ればわかるとおり、モンシロチョウの蛹には黒い点がたくさんあります。
規則性のある黒い点は問題ありませんが、染みのような黒い点は寄生の印かもしれません。
我が家では、モンシロチョウの寄生はすべて幼虫の時なので、寄生されている蛹の画像はありません。すみません。
「染みのような黒い点」と言っても、
このように羽化目前に現れる黒い点は翅の紋。
お間違えのないように。
モンシロチョウは蛹で越冬する
モンシロチョウの越冬態は、ほとんどの鱗翅類と同じく蛹です。卵、幼虫、成虫は越冬しません。
これはうちで越冬した蛹。12月1日に蛹化、翌年3月27日に羽化しました。
モンシロチョウの越冬に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。
蛹が乾燥してるなら死んでる
蛹がスカスカに乾燥しているなら、死んでいます。
よくわからない場合は蛹を水に浮かべてみてください。蛹は生きていれば沈み、死んでいれば浮きます。
モンシロチョウが蛹になるまで
モンシロチョウの終齢幼虫が蛹になるまでには3つの段階があります。
蛹の定位ワンダリング
最初の段階はワンダリング。ワンダリングとは蛹になる場所を探して動き回ることです。
ワンダリングが始まると、食草からさまよい出て行方不明になる可能性があるので、隔離することをお勧めします。
我が家ではこのようなケースに閉じ込めます。
アゲハチョウの時と同じように、枝や割り箸を入れていますが、いつもケースの天井に張り付きます。
モンシロチョウの食草は木本ではなく草本なので、平面のほうが馴染むのかもしれません。
ワンダリングはしない幼虫もいます。以前キャベツにいた幼虫はしませんでした。このままで問題ないと判断したのでしょう。
前蛹になる前の糸掛け
次の段階は前蛹になる前の糸掛けです。
ワンダリングして蛹になる場所が決まると、幼虫はそこで大量の糸を吐き体を固定。それから体を徐々に縮めて太く短くなります。
それから糸掛けを始めます。
(3倍速)
これは最後のところだけ。前脚で糸を抱えているのがわかりますか?
最後、帯糸(糸の輪っか)に頭をくぐらせて完了。
10分以上かかりました。
帯糸は幾重にも束ねているので、釣り糸のように頑丈です。
糸掛けが終わった前蛹。
蛹になる時の脱皮
最後の段階は蛹になる時の脱皮。
糸掛けが済んだ前蛹は1~2日経つと脱皮して、蛹になります。
キャベツの葉に糸掛けした前蛹。
モンシロチョウの前蛹はアゲハチョウのような形(くの字)にはなりません。
これの脱皮の様子。
(5倍速)
脱皮直後の蛹。
蛹化に失敗したら
蛹化時の脱皮途中で糸が切れたり、体の固定が外れたりして、脱皮に失敗することがあり得ます。そうなると命取りになります。
救済方法はこちらの記事でご覧ください。アゲハチョウの記事ですが、やることは同じです。
モンシロチョウの蛹【まとめ】
以上、モンシロチョウ蛹の期間や色などの基本情報と、終齢幼虫が蛹になるまでの様子について書きました。
ポイントは以下のとおりです。
お役に立てば幸いです。
モンシロチョウの蛹化前後の飼育に関しては、こちらの記事をご覧ください。
2021/6/15,2024/5/13
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