アゲハ蝶が羽化したのに飛ばない。なんで? もしかして、飛べないの?
そう思っているところでしょうか。放っておけばいいのか。何かしないといけないのか。どうしたらいいんだろう、とお考えかもしれません。
我が家では何度もそういうケースを見て、アゲハ蝶が飛べない理由は5つあることがわかりました。それぞれ対策と併せて書きますので、どうぞ参考になさってください。
この記事をご覧になれば、アゲハ蝶が飛ばなくても、あわてないで済むでしょう。
アゲハ蝶が飛べない5つの理由と対策
ここで書くことはアゲハ蝶の種類を問いません。
翅が湿っていて飛べない
アゲハ蝶は羽化すると、こんな感じで翅を乾かします。
(アオスジアゲハ)
翅が伸びきっても、通常羽化後3時間ぐらい経たないと、まともに飛べません。
その間、無理に飛ばそうとするとどうなるか。
30分未満: 全く飛べない。
1時間程度: 少しは飛べる。上昇はしない。
2時間程度: 飛び方がぎこちない。普通に飛べる個体もいる。
我が家で観察したところ、こんな感じです。
ということで、この場合の対策としては待つことしかありません。
羽化不全で飛べない
まともに羽化できなくて翅に欠陥、欠損があれば、当然ながら飛べません。一見飛べそうに見えて、飛べない不全体もいます。
かなり難しいですが、翅を再生する方法はあります。こちらの記事をご覧になってみてください。
とはいえ、大半の不全体はどうにもなりません。
羽化目前、蛹の殻に穴が開いてしまい、乾燥して片方の翅が広がらないことがありました。そういうケースの対策はこちらの記事でご覧ください。
天気が悪くて飛べない
アゲハ蝶は雨が降っていたり、風が強かったりすると、飛べるのに飛ばないことがよくあります。この場合は「飛べない」と言うより、自分の意志で「飛ばない」と言ったほうがいいのかもしれません。
こんなことがありました。
羽化翌日10時40分 晴天
このように手に乗せてベランダに出すと、大抵の場合、すぐに飛んで行きますが、このクロアゲハは飛びませんでした。それで、
このように床に置いて外出。
約4時間後帰宅して見てみると、このまま動いていませんでした。風が強かったからではないかと思います。こういうことはこれまで何度もありました。
こういう場合は放っておくか、一度部屋に戻し、バタバタし始めたら放すようにしています。
温度が低くて動けない
アゲハ蝶は温度が低いと飛べない、というか動けません。
何度ぐらいで動けなくなるのか。こんな実験レポートがありました。
冷蔵庫内で羽化できた温度と同じ 12℃ならば、代謝を止めずに動き続けることができた。また、さらに3℃下がった9℃でも動き続けることができ、6℃まで下がった時に代謝が止まり倒れて動かなくなったことから、成虫のアゲハの動ける限界の温度は7~9℃であることが判明した。
ー 千葉県科学作品展のレポート
言うまでもないことですが、この場合の対策は温度を上げること。暖かくなってから放すとか。冬場は家で保護するとか。
蝶が活動できる気温に関しては、こちらの記事を参考になさってください。
弱っている
最後の理由は体力不足。弱っていて飛ぶだけの力が無い、もう瀕死の状態、いまわの際、虫の息。
対策はありません。
飛べない蝶の飼育
飛べない蝶は家で寿命を全うさせてあげてほしいと思います。
飼育方法に関してはこちらの記事を参考になさってください。
アゲハ蝶が飛べない理由と対策【まとめ】
以上、アゲハ蝶が飛べない5つの理由と、それぞれの対策について書きました。お役に立てば幸いです。
アゲハチョウの飼育をしていると、いろいろ戸惑うことがあるでしょう。そういう時は当サイトの FAQ を覗いてみてください。大方の答えは見つかると思います。
アゲハチョウに関する総括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。
2021/5/2,2024/5/25
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