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【クロアゲハの幼虫】基本情報 見分け方 ツノの色 食べ物

クロアゲハの幼虫を育てようと思っていますか?「クロアゲハの幼虫はどこで見分けたらいいんだろう」と思っているところでしょうか。

我が家では毎年クロアゲハを飼育していて、いろいろな発見がありました。この記事では幼虫の食べ物や育て方、成長過程など基本的な情報に加え、幼虫の見分け方、見つけ方、似ている幼虫との違いなどについて書きます。

関連記事もご覧になれば、クロアゲハに関するほとんどの疑問は解けるしょう。

記事の概要
  • クロアゲハ幼虫の食べ物や育て方、見つけ方
  • クロアゲハ幼虫の性格、毒性、成長過程
  • クロアゲハ幼虫の成長段階ごとの特徴
  • クロアゲハの幼虫と似ている幼虫との違い

クロアゲハの幼虫【基本情報】

幼虫の食べ物と育て方

クロアゲハ幼虫の食べ物(食草)はミカン、レモン、山椒など、ミカン科植物です。

育て方はほかのアゲハチョウと何ら変わりません。

具体的な飼育方法はこちらの記事でご覧ください。

卵や幼虫の見つけ方

クロアゲハの卵や幼虫はどんな所で見つけられるか。

クロアゲハは翅が熱を吸収しやすいため、薄暗い所を好み、産卵も陽が当たらない葉っぱにすることが多いようです

なので、こんもりした木の陽が当たらなそうな葉っぱにいることが多いでしょう。

私見ですが、柑橘類の葉っぱにいることが多く、山椒の木では見かけません。

卵はオレンジ色で直径1.5mmほど

左はナミアゲハ、右はクロアゲハの卵。

ひと回り大きい。

幼虫の性格は温厚

クロアゲハの幼虫は温厚な性格で、おっとりしています。

葉っぱを食べている時に触りまくってもお構いなし。

注意)雑菌が付くので触り過ぎはよくないようです。この時は見識に欠けていました。

触り心地はぷにぷにです。

突っついても、すぐには臭角を出しません。

体を揺らして威嚇。

親切な警告? これも温厚な性格だからか。

申し訳ないけど、可愛い。

幼虫に毒は無い

クロアゲハの幼虫に毒はありません。

国内のアゲハチョウで毒があるのはジャコウアゲハだけです。

ジャコウアゲハ終齢幼虫
ジャコウアゲハの幼虫

幼虫につく寄生虫

アゲハチョウの幼虫につく寄生虫はいろいろいますが、代表的なのはヤドリバエです。

我が家で育てた幼虫に限って言えば、これまでクロアゲハに寄生したのはヤドリバエしかいません。他のアゲハチョウは寄生バチにもやられています。

アゲハチョウの寄生虫に関しては、こちらの記事をご覧ください。

卵から成虫までの成長過程【実録】

うちで育てた1個体の追跡記録です。

卵~1齢幼虫の期間

孵化前日の卵。

7月25日23時19分

口をもぐもぐしているのがわかります。

卵の殻をかじる練習?

翌日。

7月26日6時37分

朝起きたら、孵化していました。産まれたてはこんな色。2~3時間で黒っぽくなります。

アゲハチョウの卵に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。

2~5齢幼虫の期間

孵化の3日後。

7月29日10時18分

1回目の脱皮終了。2齢幼虫。

7月31日13時7分

2回目の脱皮終了。3齢幼虫。

8月3日7時

3回目の脱皮終了。4齢幼虫。

8月6日16時43分

4回目の脱皮終了。5齢幼虫。

幼虫の脱皮に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。

5齢幼虫~蛹の期間

5齢幼虫になって7日目。

8月12日8時

6cm超え。立派な青虫になりました。

翌日。

8月13日14時36分

糸掛けを済ませ、前蛹になっていました。

8月14日16時30分

脱皮して、蛹になっていました。

おしりにくっついているのは脱け殻です。

アゲハチョウの蛹化に関する詳しい情報は、こちらの記事でご覧ください。

蛹~成虫の期間

蛹化の12日後。

8月26日9時51分

羽化。

途中からで残念。

立派な♀。

ショート動画にしましたので、ご覧ください。

成虫は飛べるようになったら放していただきたいと思いますが、何らかの理由で保護する場合は、こちらの記事を参考になさってください。

各形体の期間

今回追跡した個体の成長過程(各形体の期間)は以下のとおり。

孵化~脱皮1回目1齢幼虫の期間3日と約4時間
脱皮1回目~2回目2齢幼虫の期間2日と約3時間
脱皮2回目~3回目3齢幼虫の期間2日と約18時間
脱皮3回目~4回目4齢幼虫の期間3日と約9時間
脱皮4回目~糸掛け5齢幼虫の期間6日と約12時間?
糸掛け~脱皮5回目前蛹の期間1日と約12時間?
脱皮5回目~羽化蛹の期間12日前後

孵化(7月26日)から羽化(8月26日)まで31日

クロアゲハの平均的な成長期間に関しては、こちらの記事をご覧ください。

クロアゲハの幼虫【見分け方】

クロアゲハ幼虫の見分け方はいろいろあります。

生まれたては白っぽい

生まれたての幼虫は白っぽいです。

徐々に黒ずんできます。

1~2齢幼虫には突起2本

1~2齢幼虫には、頭部と尾部に目立つ突起が2本ずつあります。

左が1齢、右が2齢。

この突起は成長するにつれ、目立たなくなります。

3~4齢幼虫には光沢

3~4齢幼虫になると、光沢が出てきます

右が3齢、左が4齢。テカってますね。

黒い幼虫はここまで。

終齢幼虫は胸部が太い

ナミアゲハやキアゲハの幼虫は、

このとおり胸部と腹部の太さに極端な差はありません。

それに対してクロアゲハの幼虫は、

このとおり腹部に比べて胸部が太く、眼状紋(フェイクの眼)があるので頭でっかちに見えます。

ツノは濃いピンク色

ツノ(臭角)は濃いピンク色です。

アゲハチョウ他種の幼虫の臭角はほとんどがオレンジ色です。

幼虫は臭角を出すと体力を消耗しますので、むやみに突っつかないようにしましょう。

クロアゲハと似ている幼虫

モンキアゲハとの違い

よく似ているモンキアゲハとの見分け方。

左がクロアゲハ、右がモンキアゲハの終齢幼虫。

どこで見分けられますか?

背中の黒い帯状の模様がつながっていればクロアゲハ、途切れていればモンキアゲハ

概ねそうですが、たまにクロアゲハでも途切れていることがあります

はっきりしてほしい。

若齢幼虫は一目瞭然というわけにはいきません。それでも、明確な違いがあります。

クロアゲハは黒っぽくてツヤがあるのに対し、モンキアゲハはまだらな茶色です。

さらに、レモンさんのツイートにあるとおり、モンキアゲハは4齢幼虫になると、黄色い斑が出てきます

蛹での見分け方はこちらの記事でご覧ください。

ナミアゲハとの違い

ナミアゲハとはあまり似ていませんが、若齢幼虫は見分けにくいかもしれません。

両者の比較はこちらの記事でご覧ください。

クロアゲハの幼虫【まとめ】

以上、クロアゲハの幼虫についていろいろ書きました。

ポイントは以下のとおりです。

  • クロアゲハ幼虫の食べ物(食草)はミカン科植物
  • クロアゲハは薄暗い場所を好む
  • 卵はオレンジ色で直径1.5mm程度
  • クロアゲハの幼虫は温厚な性格
  • クロアゲハの幼虫に毒はない
  • クロアゲハの代表的な寄生虫はヤドリバエ
  • クロアゲハの成長過程、孵化から羽化までは約1か月
  • 生まれたてのクロアゲハの幼虫は白っぽい
  • 1~2齢幼虫には頭部と尾部に目立つ突起が2本ずつある
  • 3~4齢幼虫には光沢がある
  • 終齢幼虫はアゲハチョウ他種の幼虫と比べると胸部が太い
  • クロアゲハの幼虫のツノ(臭角)は濃いピンク色
  • モンキアゲハの幼虫とは概ね背中の模様で区別できる
  • ナミアゲハの幼虫とはあまり

アゲハチョウに関する総括的な情報は、こちらの記事でご覧になれます。

【アゲハ蝶の幼虫】これで丸わかり

2021/6/29,2024/5/25

コメント

  1. ぴかっと より:

    本日,終齢幼虫捕まえて調べたらこちらでクロアゲハと分かりました!

    感謝します〜

    • たむら船堀 たむら船堀 より:

      それはよかったです。ご丁寧に感謝のコメント、ありがとうございました。

    • のりりん より:

      毎年金柑の木にナミアゲハが産卵にくるのですが、今年はクロアゲハが産んで行ってくれました。
      昨年から天敵にやられて卵がどんどん消えるので、室内で卵の様子を見てたら昨日孵化しました。クロアゲハは初めてなのでドキドキしてますが、こちらのサイトで勉強させてもらいとても助かりましたー!
      ありがとうございます😊

      • たむら船堀 たむら船堀 より:

        それはよかったです。ご丁寧に感謝のコメントありがとうございました。
        昨日孵化したのであれば、短日処理をしないと寒い時期に羽化してしまいますね。短日処理は難しくないので、挑戦してみたらどうでしょうか。やり方は こちらの記事 に書いてあります。