アゲハチョウの幼虫を育てていますか? 幼虫は脱皮を繰り返して蛹になります。脱皮に関する正しい知識がないと、最悪の場合死なせてしまうかもしれません。
我が家では毎年幼虫をたくさん育てていて、いろいろ学びました。この記事では以下の質問に答えます。
- アゲハチョウの幼虫は何回脱皮するのか?
- 脱皮にはどれくらい時間がかかるのか?
- 脱皮にはどんな前兆があるのか?
- 脱皮失敗の原因と対策は?
質問の答えがわかれば、幼虫が蛹になる確率は高くなるでしょう。
アゲハチョウ幼虫の脱皮
脱皮の回数は通常5回
通常、アゲハチョウの幼虫は 5回脱皮します。
1回目 | 1齢幼虫から2齢幼虫になる時 |
2回目 | 2齢幼虫から3齢幼虫になる時 |
3回目 | 3齢幼虫から4齢幼虫になる時 |
4回目 | 4齢幼虫から5齢幼虫になる時 |
5回目 | 前蛹*から蛹になる時 |
*5齢幼虫は糸掛けをしたあと形を変え、前蛹になります。
5齢幼虫が前蛹になるまでの期間は概ね5~7日です。
ごく稀に、前蛹になる前にもう1回脱皮して6齢幼虫になる、つまり6回脱皮することがあります。発育状態が悪いとそうなるようですが、我が家では一度も見たことがありません。
これはクロアゲハの脱け殻一式。
左から1齢幼虫の頭部、2齢幼虫の頭部、3齢幼虫の頭部、4齢幼虫の頭部、前蛹の脱け殻となっていて、合計5回脱皮したことがわかります。
なぜ最初の4つは頭部しかないのか。あとでわかります。
脱皮にかかる時間は7分前後
脱皮にはどれくらい時間がかかるのか。我が家で撮った動画を観てみたところ、どれも7分前後でした。
これはナミアゲハ4齢幼虫の脱皮。
10倍速。7分15秒かかりました。
もうひとつ、アオスジアゲハ4齢幼虫の脱皮。早送りではないので、少々長くなります。
途中からでした。
最後は抜けきったことを確かめるように、必ずおしりを振ります。
脱皮したばかりのアオスジアゲハ5齢幼虫。
脱皮後は脱け殻を食べる
幼虫は脱皮完了後、しばらく休んでから脱け殻を食べます。
こんな感じで。
まず、脱皮。
脱け殻完食。
つなげて編集しました。
エコでクリーンな習性に感心します。
脱皮の前兆 動かない
幼虫は脱皮前になると葉っぱを食べなくなり、こんな感じで動かなくなります。
このように、おでこをべったり葉っぱにくっつけて動かなくなったら、脱皮の前兆です。この状態で1~2日かけて新しい体を準備しますので、そっとしておいてください。
前蛹が脱皮する前は表皮が浮き立ってくるので、一目瞭然でわかります。
これが脱皮目前になると、
こうなります。
前蛹は糸掛けをした後1~2日経つと脱皮して蛹になります。
脱皮失敗の原因と対策
脱皮失敗のありがちが原因と対策は以下のとおり。
足場から離れる
一番多い脱皮失敗の原因は、幼虫が葉っぱから落ちるなどして、足場(張り巡らした糸)から離れてしまうことです。
そうなると脚を踏ん張れないため、脱皮できません。
一度離れてしまったら、元の場所に戻しても駄目ですよ。
その場合は脱脂綿など、脚を踏ん張れる物の上に幼虫を置いて、脱皮を手伝うことができます。
糸を再利用する方法もあります。こちらの記事をご覧ください。
皮が一部残る
これは滅多にないことですが、脱皮の皮が一部残ってしまうことがあります。そのままにしておくと、成長が阻害されて死んでしまうでしょう。
対策はこちらの記事でご覧ください。
脱皮阻害剤
もうひとつ、脱皮阻害剤という原因も挙げておきます。
脱皮阻害剤とは名前のとおり、昆虫の脱皮を阻害して死に至らせる薬剤。ホームセンター店頭販売の鉢植えなどにも使われているようです。
脱皮阻害剤が付いた葉っぱを食べた幼虫は、脱皮の途中で死にます。これはどうにもなりません。
実例はこちらの記事でご覧ください。
アゲハチョウ幼虫の脱皮【まとめ】
以上、アゲハチョウ幼虫脱皮の回数、時間、前兆、失敗の原因と対策について書きました。お役に立てば幸いです。
アゲハチョウの幼虫に関する総括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。
おまけです。
出立。
2018/6/10,2024/5/23
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