アオスジアゲハの幼虫を飼育していますか? あるいは飼育してみたいと思っていますか?
アオスジアゲハの生育分布は広い(東北南部が北限)のですが、食草が大木の多いクスノキ科植物であるせいか、卵や幼虫を見つけにくいかもしれません。
この記事ではアオスジアゲハの卵や幼虫の見つけ方から、羽化までの育て方について書いています。
どうぞ参考になさってください。
アオスジアゲハ幼虫飼育
アオスジアゲハ幼虫の飼育は、他のアゲハと同様に難しくはありません。
卵や幼虫の見つけ方
まず、卵や幼虫の見つけ方から。
当然ながら、卵や幼虫は食草にいます。
アオスジアゲハの食草はクスノキ、タブノキ、シロダモ、ニッケイなどのクスノキ科植物ですが、圧倒的に多いのはクスノキでしょう。
フォロワーさんから、クスノキは大木なのでなかなか卵や幼虫を見つけることができない、というコメントをいただきました。
確かに、産卵場所が大木の上に限られるならそうですが、そんなことはありません。
狙い目は大木の根元から出ている脇芽です。
これは近所のクスノキの脇芽。
幼虫は葉っぱの裏側にもいます。
卵はこのように白く、大きさはナミアゲハの卵と同じ1mmほどです。
餌の確保
卵や幼虫を見つけたら、餌を確保しなければなりません。
我が家では外でクスノキの柔らかい葉っぱを取ってきて、水を入れた袋に入れて冷蔵庫に保存し、少しずつ与えています。
あとは、自宅のベランダにあるクスノキの葉っぱも与えています。
これです。
フォロワーさんから、「クスノキの若木を購入したのですか」と問い合わせがありました。
そうではありません。
これは昨年の夏、近所の歩道で、こぼれ種から成長した若木を取ってきて、鉢に移植したものです。当初20cm程度だった木が、1年で40~50cmになりました。
ほかに、今年の春に発芽したクスノキもあります。
今はまだ小さいので戦力外です。
クスノキは11月頃に黒っぽい実をつけます。それを拾ってきて、種を乾燥させないように保存し、翌年の春に蒔きます。
種の保存に関してはこちらの記事をご覧ください。

クスノキの細かい点に関しては、こちらの記事が参考になります。

因みに我が家では、発芽率ほぼ100%でした。
クスノキは巨木になりますので、鉢植えの場合は根の剪定が必要になります。
幼虫の飼育
アオスジアゲハ幼虫の飼育方法は、他のアゲハとほとんど変わりません。
アゲハの飼育に関する基本的な知識がない方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

ここでは、アオスジアゲハ特有の点だけを取り上げます。
幼虫は蛹化が近くなると、
このように透き通るような黄緑色になり、しばらく動かなくなります。
このあと、ワンダリング(蛹化の場所探し)を始めますが、他のアゲハのように食草を離れて動き回ることはほとんどありません。
但し、気に入った角度の葉っぱがないと脱走しますので、ご注意ください。
ワンダリングの後、ガットパージ(最後の排泄)があります。(他のアゲハはガットパージの後ワンダリング)。
ガットパージの際の糞は、こちらの記事の「カラフルな糞」にあるとおりです。

前蛹から蛹に脱皮。
通常、蛹になる場所は食草の葉っぱの裏側です。
羽化の準備に関しては、こちらの記事を参考になさってください。

あとがき
以上、アオスジアゲハの卵や幼虫の見つけ方から、羽化までの育て方について書きました。
この記事がお役に立てば幸いです。
アオスジアゲハの幼虫はずんぐりした形で、胸部のとぼけた表情が可愛らしく、蛹は葉っぱの葉脈まで模倣する見事な擬態、成虫は殊の外美しい色使いの翅。
なかなか味わい深いアゲハです。
2018/8/11,2021/1/21
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