アゲハ飼育日誌2020年第20稿:
卵初採取から1か月が過ぎ、このところ連日のようにナミアゲハが羽化しています。
本稿は前回いただいた超貴重なコメントの話から。
ガットパージ
前回の日誌 で、私が間違って使っていた「蛹便」(アゲハの幼虫が前蛹になる前にする水様便)の呼称を尋ねましたが、コメントをいただきました。(前回の日誌のコメント欄をご覧ください)。
幼虫が前蛹になる前に行う排泄は、ガットパージ(gut purge)と言います。
A.pernyiさん、ありがとうございました‼
コメントには「カイコの研究者の間では…」と書いてありましたが、ググってみたところ、昆虫全般に使われています。
ただ、ガットパージは行為(排泄)の呼称で、排泄物の呼称ではありません。
残念。○○便という言葉があればよかったのですが。

ついでに書いておきますが、幼虫がガットパージの後、蛹になる場所を探して動き回ることを、ワンダリングと呼ぶことがわかりました。
当サイトではそれを「徘徊」と称していました。
「徘徊」は目的もなくさまようことなので、意味が違う(幼虫には蛹化する場所を見つけるという明確な目的がある)と思いつつ使っていたので、よかった。
ガットパージ。ワンダリング。
こういう言葉を使うと、ちょっと専門サイトっぽくなるかもしれません。
ところで、「ガットパージ」で検索したら、最初にヒットしたのは「ワンダリング・ガットパージ」、下半身が芋虫になった少女のゲームでした。
いったい、どんなゲームなのか。
脱皮不全
2020.5.29
幼虫の脱皮不全は時々生じます。
今年の日誌17稿 に書いたアオスジアゲハのように、皮がほんの一部だけ残る場合もれば、ほとんど全部脱げきれない場合もあります。
このナミアゲハがそうでした。

ほとんどお面が取れただけで、力尽きていました。
原因は何なのか。
乾燥、栄養不足、感染症…。
爬虫類の脱皮不全に関しては、そのような原因が挙げられています。
青虫席巻
2020.5.30
前蛹がちらほら現れ始め、青虫(終齢幼虫)が席巻し始めました。


こうやって見てみると、やはり、アゲハで一番可愛いのは青虫ではないでしょうか。
青虫は蛹化に備え、ビン刺しを占有しますので、アゲハスペースがじわじわ広がってきました。これから蛹化が増え始めると、虫かごも増えます。
毎年のことですが、この時期は部屋がひと際狭く感じます。
おまけ
珍しくアボガドの葉っぱにいた、おそらくアダンソンハエトリの雌。

パトロール中の休憩か。
アダンソンハエトリは多くの日本家屋で見かける代表的なハエトリグモ。雄は黒、雌は茶色。
ということで、昨年の日誌35稿 に載せたのは雄でした。
ハエトリグモはダニやコバエ、小さなゴキブリを食べる益虫。
殺してはいけません。
2020/6/11,2022/2/11
コメント