アゲハ飼育日誌2023年第18稿:
■ジャコウアゲハ成長記続編~幼虫のおもしろい習性発見
■脱皮不全で葉っぱをかじれないクロアゲハの幼虫
ジャコいも成長記
前々回の日誌 で4齢幼虫まで載せたジャコいも(同じ個体)の成長記続き。
5齢幼虫
2023.7.13~
5齢幼虫になりました。

前回の脱皮から3日後。成長速度は標準的。
翌朝、吸水。グビグビ飲んでいます。

脱皮4日後、5cmに伸長。
前蛹
2023.7.18~
前回の脱皮から5日後、ガットパージ。


黒い下痢便。毒々しい。

さすが、毒蝶の子。
食草を離れてワンダリングし始めたので、アクリルケースに隔離。

翌朝、壁で前蛹になっていました。
蛹
2023.7.20~
翌朝、蛹になっていました。

黄金の蛹。
3年前の飼育では、蛹になってから羽化まで10日かかりました。( 飼育日誌2037 )
今回は時間帯が悪く、前蛹の糸掛けも脱皮も見れませんでした。糸掛けと脱皮の動画をご覧になりたい方は、こちらの記事でどうぞ。
習性発見
今回の飼育で、ジャコいもののいろいろな習性を発見しました。
葉っぱより茎
前回書いたとおり、ジャコいもはやたら葉っぱを落とします。


これはなぜなのか。
どうも、葉っぱより茎を優先して食べるようです。おそらく、まだ葉っぱが付いているのに茎を食べ始めるので、葉っぱが落ちるのでしょう。
ガジガジガジガジ…。結構、堅そう。ウマノスズクサの葉っぱは柔らかいので物足りないのか。


なんか、怪獣っぽい。ガラモンとか。
茎と葉っぱの主脈も残すナミアゲハと対照的。


花も完食
花も全部食べます。
すごい食欲。共食いするのもわかります。
変な動き
これは変。
ひきつけ?
アオいもの”ずんずん歩行”とはまた違った趣。
糞の変化
ガットパージが近くなると、糞の形が変わります。


通常の糞はこれ。


ガットパージ前はこうなります。2連。だるま型。
かじれないクロいも
2023.7.15~
クロアゲハの3齢幼虫が脱皮不全。




お面が取れていません。頭部左側の突起も無い。




かみさんが爪楊枝でお面を取りました。
ところが、葉っぱをかじることができません。
どうも、あごがちゃんと形成されていないようです。腹が空いて動き回るのが切ない。


葉っぱをすり潰したペーストを与えましたが、ほとんど食べません。


2日後、死亡。残念。
残しておきたい画像
この夏の記録。


ジャコいもワンダーランド。
2023/7/28
コメント
はじめまして。
昨年、初めてチョウ(ナミアゲハ)を飼育しました。
貴サイトが大変参考になりました。
ありがとうございます。
私もこの夏、ジャコを卵から育てました。
オス二頭、メス二頭です。
自転車圏内に生息地があり、ご近所の許可を得て持ち帰りました。
習性について全く同じです。
ひきつけ歩行は何か不具合ではないか?と心配しました。
茎を好む姿は、さながらスタンドマイクで熱唱するようで
大阪万博のマスコットのような顔と相まって吹いてしまいます。
一点意外だったのは、メス二頭が一緒に行動する事を好む
(ように見えた)事です。
共喰いを懸念して引き離す度にお互いに相手を探し、
出会うと徘徊を止めて一枚の葉を体を寄せ合って食べ、
脱皮も同じ葉でほぼ同時、単なる偶然なのか?と
不思議に思いながら観察していました。
貴重な種なので持ち帰った卵全てが無事に成虫となり、
元の場所に帰って行った時は大変嬉しかったです。
オスの匂いがよく分からなかったので、
次回(来年以降)の課題としたいと思います。
保全活動の達成感。ご同慶の至りです。
数日前にこちらの生息地を見たところ、卵も幼虫も蛹も成虫も見当たりませんでした。ウマノスズクサは周期的に刈り取られるので、いよいよ今期で絶滅かもしれません。
嬉しいご報告をありがとうございました。