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【アゲハチョウ成虫の飼育】適切な飼育環境と餌やり

「アゲハチョウが羽化したけれど、天気が悪いのでしばらく家で保護したい」「羽化不全で飛べないので、家で寿命を全うさせたい」「もう外は寒いので放せない」。

そんな状況で、アゲハチョウの成虫の飼育って、どうすればいいんだろうとお考えですか? 成虫は幼虫と違って、室内飼育には向いていません。おとなしくしていませんし、餌やりにはひと手間かかります。

短期間でも飼うなら、適切な飼育環境を用意し、餌の準備、やり方を覚えなければなりません。この記事ではそんなことを書きます。関連記事も含めてご覧ください。慣れれば簡単に、アゲハチョウの成虫を飼育できます。

記事の概要
  • アゲハチョウ成虫の飼育環境
  • アゲハチョウ成虫の餌の準備
  • アゲハチョウ成虫の餌のやり方
  • アゲハチョウの一生

アゲハチョウ成虫の飼育

ここで述べることはアゲハチョウの種類を問いません。

飼育環境を決める

まず、飼育環境を決めましょう。

アゲハチョウの成虫を飼育ケースなどの狭い空間に閉じ込めることはお勧めできません。バタバタ暴れて翅を傷付けたり、脚が取れたりするからです。

我が家では放し飼いにするか、お手製の飼育ネットに入れています。

私が作りました。

作り方はこちらの記事でご覧ください。

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蝶は走光性があるため、放し飼いにすると、光が射す窓や照明器具の周りを飛び回ります。それで翅の損傷がひどくなるようなら、放し飼いはやめたほうがいいでしょう。

アオスジアゲハ蝶とジャコウアゲハ蝶

我が家ではベランダ側の窓にいることが多いので、翅を傷めないように、サッシのレールに不織布を敷いています。

日中は放し飼いにしていても、蝶が活動しなくなる夕方以降は、暗い場所に移してあげましょう。

このように飼育ケースやダンボールに入れて、布を掛けるのも一案です。

餌を準備する

次は餌の準備です。

自然界なら成虫は花から花に飛び移って蜜を吸います。だからと言って、花の蜜を集める必要はありません。

代用品を含む餌の準備はこちらの記事でご覧ください。

餌のやり方を覚える

次に餌のやり方です。

蜂蜜やポカリスエットなどを与える場合は、蝶を捕まえて吸わせなければなりません。手順は以下のとおり。

  • 餌をティッシュペーパーや脱脂綿などに含ませる。
  • 蝶の前翅の付け根を持つ。
  • 口吻を楊枝などで伸ばして餌に触れさせる。

成虫の味覚器官は前脚にあります。と言っても、前脚を餌に乗せるだけでは吸ってくれません。

こちらの動画 を参考になさってください。

慣れれば簡単ですよ。

何度か繰り返すうちに、餌の上に置くだけで、吸うようになるかもしれません。

うまくいかない場合は、こういう方法もあります。

この方法は少々時間がかかります。

餌やりは1日1回で十分です。但し、暑い時期は水分補給も必要なので、濃度を下げて複数回与えるといいでしょう。

冬場の飼育は少々余分な手間が掛かります。こちらの記事を参考になさってください。

アゲハチョウの一生

アゲハチョウはどれくらい生きるのか。卵から成虫までの成長過程はどんな感じなのか。

アゲハチョウの一生、寿命に関しては、こちらの記事をご覧ください。

まとめ: アゲハチョウ成虫の飼育

以上、アゲハチョウ成虫の飼育、飼育環境や餌やりについて書きました。

ポイントは以下のとおりです。

  • 短期間でもアゲハチョウの成虫を飼うなら、適切な飼育環境と餌やりが必要
  • 成虫は飼育ケースなどの狭い空間に閉じ込めると、翅が傷付いたり脚が取れたりする
  • 成虫は飼育ネットに入れるか、放し飼いにするとよい
  • 部屋の中を飛び回って翅が傷付くようなら、放し飼いはやめたほうがよい
  • 日中は放し飼いにしていても、蝶が活動しなくなる夕方以降は暗い場所に移す
  • アゲハチョウの成虫の餌(花蜜の代用品)はいろいろある
  • 餌やりでは、楊枝などで口吻を引っぱり出し、餌に触れさせる必要がある
  • スポイトを使って餌を口吻に付ける方法もあるが、時間がかかる
  • 餌やりは1日1回で十分。暑い時期は水分補給のため、濃度を下げて複数回与える

お役に立てば幸いです。

アゲハチョウの総括的な情報は、こちらの記事でご覧ください。

2019/6/11,2024/4/18

動画アーカイブはこちら

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豆知識

コメント

  1. アゲハ より:

    はじめまして。キアゲハの幼虫が家のパセリの鉢で育ち、9/10に蛹化して、今朝6:40頃に無事羽化しました。羽化後3時間くらいで飛んだので、13時頃と16時頃にポカリスエットを2倍に薄めたものをキッチンペーパーに浸して口吻を楊枝で伸ばして触れさせてみたのですが、嫌がって飲んでくれません。
    羽化後何日位から蜜を飲み始めるのでしょうか。外に放してやりたいのですが、台風が過ぎるまでは室内で見守ってあげたいと思っています。幼虫から見守ってきたかわいい子です。蜜を吸わせるときに傷つけないか緊張します。どうかご教示くださいますと幸いです。

    • たむら船堀 たむら船堀 より:

      普通羽化当日は吸蜜しません。お腹が空いていないのでしょう。翌日なら吸うと思いますが、1~2日なら餌やりなしも大丈夫でしょう。

    • アゲハ より:

      早々にご教示くださりありがとうございます!たいへん助かりました。普通羽化当日は急蜜しないのですね。1〜2日なら餌やりなしでも大丈夫とのこと、安心しました。お腹が空いていないのに驚かせて怖い思いをさせてしまいました。今は暗く静かな場所でそっとしておきます。

  2. しぞーか県民 より:

    初めまして。
    急のコメントにて失礼致します。
    今朝屋外で羽化したキアゲハですが、空の植木鉢の底に落ちてぐったりしているのを見つけました。
    急ぎ涼しい室内に避難させ蜜を与えようとしましたが、ストローの先がこぶのように固まってしまっています。
    蜂蜜を染み込ませたティッシュの上でじっとしている状態で、羽もややしぼんでいます。
    何かできることがありましたらご教授ください。

    • たむら船堀 たむら船堀 より:

      だとしたら、この記事にあるとおり、スポイトで口吻の付け根に蜜をつけることぐらいしか思いつきません。
      それで元気になればいいのですが。

  3. ろこ より:

    羽がボロボロで飛べないけど、生きている成虫のアゲハを見付けました。
    息子が『可哀想だからお世話をしたい』と言ってます。
    もう飛べない場合は普通の虫かごでも大丈夫でしょうか?
    他に飼育に関して注意点などあれば教えて頂きたいです。

    • たむら船堀 たむら船堀 より:

      優しい息子さんですね。すでに翅がボロボロなのであれば、虫かごでもいいと思います。
      そのうち脚が切れたり取れたりしますので、床にキッチンペーパーや不織布を敷くなどしてあげるといいでしょう。
      吸蜜もまともにできなくなるかもしれません。こちらの記事 を参考になさってください。